自分の世界観を押しつける大人たち  週休2日の不安
 

 学校が週休二日制になる。
 しかしどうも様子が変だ。空いた2日をどう使おうかと大人たちがいろいろ考えているらしい。ちょっと待ってよ、それじゃあ休みにならない。余裕のある学習と言っときながらまた詰めるつもりのようだ。
 以前にこんな話を聞いたことがある。団地マンションなどの庭がないところで育った子供は土いじりの体験時間が少ないから感性の発育に支障がでてくる、なんていういいかげんな話を聞いた団地のお母さんが、息子に言いました。「まさお!これから毎日3分間ずつ、ベランダに置いてあるバケツに手を突っ込んで土を触りなさい」。その結果まさお君は大人って何を考えてるのだろうと、ベランダで毎日考えて、感性が鍛え上げられましたとさ、ジャンジャン。
 ジャンジャンは作りましたが、バケツの話は実話である。ばかげた話であるが、今またこれと似たり寄ったりの話が生まれつつある。
 生涯学習と名打って、そろばん、お琴、育児などが取り入れられ、その教材が全国の学校にバカ売れしているというのである。特に育児体験に使用する人形は一体10万円で、既に1億円の売り上げが出ているという。少子化で兄弟姉妹が少なくなって、育児を近くで体験することがないといっても、人形相手で押し付けられて「かわいいでしょう」と言われても、ちょっと逆効果生んでしまいませんか?それ以上に人間をバカにしてませんか?
 人形、バケツの土、と同じように土日の決められた休みは、どうも偽物臭い感じがする。実践でなくては所詮は社会見学である。見学体験では学校での過ごし方と変わらない。子供が大人の世界を体験して、これで子供も大人の世界を理解してくれたという大人の勝手な妄想はやめましょう。
 子供は子供の仕事を実践しましょう。といっても大人はなんだかんだ押し付けたがるのが仕事だから、子供はそこからなんとかすり抜けて自分の時間をひねり出しましょう。といってもこれを読んでる子供はいないか。


東京スポーツ 2002年4月2日火曜日掲載
「私のSAY論」より転載